FRANK LEDER “Bedlinen Shirts”

皆様こんにちは。

前回のブログでご紹介いたしました新規取り扱いブランド”FRANK LEDER”より、先ずは代名詞とも言えるアイテムのご紹介です。

“Bedlinen Shirts”

使用している生地は1960年代のドイツ軍で使われていたベッドシーツのデッドストック。

”ベッドリネン”と呼ばれる生地はリネン素材を指しているわけではなく、軍で寝具を保管するリネン室の事を指しております。

素材は当時の旧式織機で織られたコットン100%の平織り。

ガシッとハリのある素材は洗いと着用を繰り返す中で、生地が柔らかくなり身体に馴染む事で生まれるシャツの皺、アンティークの包みボタンからメタルが出てくる表情の変化等、エイジングさせていく事でより魅力を感じて頂けるシャツとなっております。

「最初60%の格好良さの物を100%に育てていく。」

FRANK LEDERの洋服に纏わる有名な言葉です。
完成された洋服へ落とし込まれる独自のアプローチから成る素材やパーツは、どれもがエイジングした後までを計算しており、40%の余白を残した状態で世に送り出される洋服達は着用者自身が育て上げた際に真の格好良さを見出してくれます。

同じアイテムだとしても複数人が着用すれば複数通りの40%があり、それぞれ違うエイジングをしていきます。
皺の入り方、着用や洗いの頻度による生地、パーツのエイジング等。

この“Bedlinen Shirts”を例に挙げると、無染色のベッドシーツ素材ということで着用の過程で入る生地のアタリに加え、何かが飛んで付いた染みすらも40%のエイジングとしてシャツの表情を変えてくれます。アンティークの包みボタンは洗いを繰り返す中で表面の布が剥げていきメタルボタンが剥き出しになっていきます。

エイジングを経て100%になる頃には一点物のシャツとなっているでしょう。

このシャツにはベッドシーツを後染めした様々なカラーリングが存在するのですが、無染色のナチュラルカラーをセレクトしたのには、理由があります。

FRANK LEDERの中で“Bedlinen Shirts”のようなアプローチをしているアイテムはプロパーから自分自身でヴィンテージを作っていくことができます。(正真正銘デッドストックのヴィンテージファブリックを使用している為。)

60年代のベッドシーツ生地を後染めすることで、鮮やかなカラーリングの副作用として生地の組織が少なからず変わってしまいます。旧式の織機で織られたネップ混じりのオーガニックな素材は年代特有の物であり、現代作る事はできません。フランク自身も、このヴィンテージ生地が確保できるうちしか作ることの出来ないアイテムと公言しており、この生地の良さを存分に生かした無染色のナチュラルカラーこそ、素材のアイデンティティーだと感じている為です。

生地本来の用途が洋服の為ではないので普通であればシャツに落としこまれる事のない素材。
魅力的且つ上質な素材故に、その生地を集め裁断し、服にするという背景はチマヨ織りのベストやブランケットジャケット等、私自身大好きであり当店でも提案している民族工芸品からなる洋服たちと似た背景を感じる事もこのシャツに思いを馳せる理由です。