ウエスタンブーツと現代の洋服

max's Tokyo
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皆様こんばんは。

連日blogにお付き合い頂きまして、誠に有難う御座います。

本日は、オープンしてから2年以上経つ当店でずっとテーマに掲げている「ウエスタンブーツ」について。

店頭では多くお話しさせていただいていますが、僕の場合はなぜウエスタンブーツが好きか?と聞かれると、ディテールや背景、靴の作りはもちろんですがその辺りのウンチクを省略すると「憧れた先に何気なく履かれている場合」が非常に多かったからです。

例えば、フォーカスは当たっていないけど好きな映画のワンシーンでサラッと履かれているケース、好きなアーティストのミュージックビデオでサラッと履かれているケース、この人が!?というアーティストのアルバムのジャケット写真で履かれているケース。

様々なケースを体験してきましたが、よりリアルな裏付けを感じることが今まで多かったのでその話を少々。

まずは、「エミスフェール」のセバスチャン。

僕のLINEのアイコンも この写真なのですが笑

真ん中の彼です。
彼のスタイルが好きで、自分なりに模索し、参考にしてきました。

新品や古着問わず、自身の審美眼でフラットにモノをセレクト、コーディネートする。

そこに正解はなかったはずだし、自分たちが本当に好きでセレクトし、模索し、スタイルを具現化して行ったのでは、と思う。

彼の場合は、写真の情報が少なすぎるし、人ずてに聞く情報も少なすぎるので、本当に僅かな情報からイメージを膨らませてみるのが楽しかった。

パリというファッションの街で、どうやってウエスタンブーツを履いていたのか?パンツは何を?バランスは?

アナトミカにいた時によく、店頭で考えていたことを思い出します。

次はrdv o globe 前淵さん。

最初に出会ったのは僕が21歳の頃。

当時働かせて頂いていた札幌のセレクトショップのイベントにて。

「うわー、格好いいけどこえー、、」というのが最初の正直な印象です。

素直に、格好いいスタイルでとても衝撃だったのを覚えています。

当時の僕はベルナールザンスのスラックスを履きオールデンのV-TIP、古ければいいと言わんばかりのVINTAGEシャツに何故かエルメスのネクタイ、ドッグイヤージャケットを着てその上にDPMカモのソルウェイジッパーという尖り謎極まりない格好をしていた。

そんな洋服は好きだけど、何がなんなのかわからない若者を惹きつける何かが、前淵さんのスタイルにはあった。

何が洋服屋として正解かはわからないけど、何が格好いいと思うか。自分の中でははっきりしていた。

前淵さんのスタイルは常に新しくアップデートされており、今ではウエスタンブーツは履かないと仰っていましたが、昔の前淵さんはバリバリ履いていたそう。
その時のコーディネートを勝手にイメージして、参考にすることもしばしば。。

最後は、業界の先輩の結婚式の2次会パーティーに参列した際の話。

札幌の先輩、Tさん。

彼からしたら、後輩に当たる方の結婚式。

サラッと、ネイビーかブラックのスーツにブロードの綺麗なシャツを着て、パーティーだったためクラバットタイをラフに解き垂らして、足元は磨かれたウエスタンブーツ。

その先輩は、一緒に働いたこともなければ何度も深く会話をしたことはない。

只、歳が離れている自分にも、挨拶すれば笑顔でなんでも教えてくれた。

多くは語らないし、今は洋服業界にもいない。けど、僕はあの格好良いスタイルがずっと忘れられずに、それが理由の全てではないけれど、お店の基盤となるアイテムとしてウエスタンブーツを選んでいる。

様々な著名人が履いているウエスタンブーツも僕は格好いいしと思うし惹かれる。

でもそれより、「知るきっかけ」や、「格好良いと思っていた人が履いていた」という点と、カテゴリー的にセオリー云々よりもどう合わせるか考える余白があること。その楽しさが僕にとっては衝撃だった。

2年間お店をやってきて最初は全く売れなかったウエスタンブーツを、今は結構なお客様が購入してくださり格好よく履きこなしてくれている。

そんな瞬間が、僕はすごく嬉しいし、そう合わせるのかあ〜!!という発見もさせて頂けている。有難う御座います。

本当にウエスタンブーツは新品との親和性も深く、コーディネートに色気を出してくれるし、きっと履いたことが無い方も納得して頂ける瞬間があると信じている。

インポートブランドにも、ドメスティックブランドにも、デザイナーズブランドにも、クラシックにも、何にでも。まずは合わせてみてください。

今後も、ドルや関税や、さまざまな障害はあると思うけど、お店に置いておきたいと考えています。

まだ、恵比寿、神保町ともにブーツはありますので、試してみて頂ければと思います。

よろしくお願いいたします。

近谷