冬になると、自然と寒色に手が伸びます。
理由を考える前に、もう体がそう動いてしまう。夏のように色を主張したいわけではなく、光や空気と無理なく馴染む色を選びたくなるんです。淡いブルーや白が、余計な影を持たずにすっとそこにある感じ。この季節の寒色、やっぱり好きなんですよね。
冬は光の強さが夏より少し控えめなので、淡い色がより自然に馴染んで見えるらしいです。だから、冬に寒色がよく映るのも納得です。

そんな個人的な好みに、妙にしっくりきたのが、このライトブルーのモールスキンパールスナップシャツでした。



なぜか目が行く。主張は控えめなのに、気づくと視界に入っている。冬の景色の中で、この淡いブルーがちゃんと映るのを見ると、「やっぱりこの季節は寒色いいな」と、ひとりでうなずいてしまいます。

強いブルーではなく、少し白けた青。着込まれ、洗われ、時間を経て生まれたようなトーンです。



素材には柔らかなコットンモールスキンを使用しています。新品でも硬さはなく、最初から自然体でお召しいただけます。薄手のニットやパーカーを中に合わせれば、シャツとしてもシャツジャケットのようにも使える。春先にはカットソーの上からさっと羽織り、冬にはジャケットやコートの中に忍ばせる。気づけば夏以外はずっと着ている、そんなシャツです。

さらに、このシャツは、男臭い印象のあるウェスタンシャツの要素を取り入れつつも、ウェスタンヨークはあえて取り払い、クラシックなシャモアシャツの構造に乗せています。ありそうでないバランス感覚を実現しつつ、襟や裾のクセも取り払っているので、今の気分で軽やかに着ることができます。男らしさと柔らかさ、伝統と今の感覚──そんな絶妙な塩梅を楽しめる一枚です。


50年代のエナメルスナップを再現したクリーム色のパールスナップも、淡いブルーにさりげない温かみを添え、全体の印象を穏やかに整えています。控えめながら、シャツの雰囲気を支える大切なディテールです。非常に柔らかな特注ミルドのコットンモールスキンで作られており、まるで長年着込んだヴィンテージシャツのような風合いを、最初から楽しむことができます。
そして、この色”コーンフラワー”。
締まるような、いかにも格好いい色味ももちろん好きです。黒や濃いネイビーのように、「ちゃんとして見える」色。でも、このコーンフラワーには、なんだか独特の魅力があります。意外と男臭い。ワークやウェスタンの文脈を思い浮かべると、決して優等生な青ではないのに、どこか柔らかさが残っている。強く出ようとしていないのに、油断していると存在感がじわっと効いてくる、そんな色です。…うん、ちょっとずるい。



淡い色や柔らかな素材と合わせると、きっちりまとめすぎずに程よい格好よさが生まれる。頑張って格好つけるより、「まあ、今日はこれでいいか」くらいで着たほうが、この色は機嫌がいい気がします。
冬に寒色を着たくなるのは、流行でも理屈でもなく、単純に「好きだから」。

だから、普段あまり寒色を着ない人も、まあ一枚手にとってみて下さい。「ちょっと冬っぽい冒険」と思って袖を通すくらいで十分です。

気温はぐっと下がる季節だけれど、ちょっと自分の好きな色で遊ぶだけで、冬の気分がちょっとだけ上向きになる気がします。…いや、気がするだけですけどね。笑
max’s Ebisu
上田


